鼻痛
鼻は様々な場所で痛みを感じます。
①面疔(鼻癤)
主に鼻の先端(鼻尖部痛)の痛みですが、小鼻(鼻翼)等にも起こります。原因のほとんどはいじりすぎです。いじりすぎると毛嚢に炎症や細菌感染を起こして赤く腫れていたくなります。この状態が癤で、面疔です。毛嚢がある所ならどこにでも起こりえます。鼻翼の説は鼻尖部に比較して赤み等が見えにくいです。
②鼻の中の痛み
多いのは、鼻の中の皮膚粘膜移行部の炎症が直接痛みを起こしている場合と、その炎症で作られたかさぶた(痂皮)が周囲を圧迫して痛みを起こしている状態です。これらが原因の痛みは鼻の穴に近いところの痛みとなります。
鼻の奥の方の痛みは、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が原因のことがありますが、原因を特定することが難しい場合もあります。
鼻が詰まった感じ(鼻閉感)
①アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎で鼻粘膜がむくんで腫れると鼻閉が起こります。初めの頃は症状が軽くなると鼻づまりはとれますが、繰り返しているうちに鼻づまりは持続的になります。小さな頃にこの状態になると、慣れてしまうので本人は鼻づまりを苦しいと思いません。
②鼻茸(副鼻腔炎による)
副鼻腔炎が慢性化して副鼻腔内粘膜のむくみがひどくなって自然孔から鼻腔に出てきたのが鼻茸です。鼻茸が大きくなればなるほど鼻づまりの原因になります。
③鼻内の気流の乱れ
鼻の中をのぞいても、レントゲン等々の検査をしても鼻づまりの原因がないにもかかわらず、鼻づまり感を感じることがあります。鼻の中の空気の流れが乱れて(乱気流)、空気が鼻の入り口から奥まで旨く流れなくなっていることが原因の一つと考えられています。
鼻みず
①透明な水のような鼻みず
この鼻水の原因で一番多いのがアレルギー性鼻炎です。次に多いのは血管運動性鼻炎、ついで加齢変化による鼻内加湿障害です。鼻内加湿障害は高齢者が増えるとともに増えてきています。
②黄色や黄緑色の鼻みず
この鼻水は副鼻腔炎の特徴です。ウイルス感染または細菌感染によって副鼻腔内に作られた膿が自然孔からあふれ出てきたものです。黄色や黄緑の原因は、細菌やウイルスと戦った白血球やリンパ球のそれぞれの形の壊れたものの集まりです。
臭いがわからない
臭いを感じるためには、臭いの分子が上鼻道にある嗅糸(嗅神経)に到達しなければなりません。臭い分子で刺激された嗅神経は、臭いの情報を嗅球を介して嗅覚中枢へ伝達します。
まず、アレルギー性鼻炎による鼻閉や鼻茸等で臭い分子が嗅糸まで届かないと、臭いの情報がそもそも発生しないため、臭いは分かりません。嗅糸(嗅神経)が刺激されても、それ以降の経路に障害があればやはり臭いは感じません。
障害されている場所や障害形式によって治療方法が変わります。