補聴器外来
耳鼻咽喉科医よりメッセージ
補聴器は、聞こえをよくするだけでなく、認知症の進行を抑えることが証明されたり、耳鳴りを抑えたりする効果もあります。その重要性が再認識されています。 聞き返しが多くなったり、ドアホンの音が聞こえなくなったり、自分が呼ばれたことに気がつかなくなったりしたら、補聴器の装用が望ましい状態と言えます。目が悪くなった方が眼めがねをかけるのと同じです。ただし、ご自分では気づきにくいことがしばしばあります。また、めがねと違うのは、その人それぞれに合うように調整する期間が必要な点です。
さて、補聴器には、難聴が悪化しないように大きな音をそのまま大きくしない機構や、周波数別に音を大きくする程度を調整する機構や、ピーピーガーガーしないようにする機構がついています。ですから補聴器をすることで難聴が進行する心配はありませんし、その人に合った補聴器に調整することができます。この調整にはある程度の時間がかかります。そして、この調整には専門家の知識と技量が必要です。訓練を受けて試験に通った補聴器認定技能士のいる耳鼻咽喉科補聴器外来や補聴器専門店での購入をお勧めいたします。訪問販売は、後々のメンテナンスが不十分なことが多いのでお勧めできません。皆さんがよくお聞きになる、ピーピーガーガーする補聴器や良く聞き取れないままの補聴器は、調整が悪いだけのことがほとんどです。 また、補聴器には耳鳴りを軽減する効果があります。耳鳴りを軽減する目的で補聴器を使うことも珍しくありません。ただし、耳鳴りの治療には様々な方法があり、耳鳴りの原因にあった治療が必要ですので、まず、耳鼻咽喉科で診察を受けてください。
さらに、補聴器には認知症の進行を遅らせる効果があります。耳から入ってくる音声情報は目からの情報よりもずっと脳を活性化するのです。耳が遠くて耳からの音声情報が不十分な人の中には、自分は十分情報を受け取れていると感じている方が少なくありません。家族や周囲の人からの助言が大切です。
補聴器に似たものに拡声器や集音器があります。TVや新聞などの通信販売の大半はこちらです。補聴器のような機構は着いていませんので、大きな音はそのまま大きくなってしまいますので、難聴を悪化させる心配があります。また、ご自身にあった特性に調整することもできないので、お勧めできません。
最後に、どんな軽い難聴であっても、会議や買い物等々で、ご自分が必要と感じたら補聴器の適応があるかもしれません。耳鼻咽喉科で相談してください。
当院では毎週水曜日に補聴器外来を併設しております。ご相談だけでも、どうぞお越しください。
認定補聴器技能者よりメッセージ
補聴器外来では検査結果に基づいて一人ひとりの聴力に合わせて調整いたします。聞こえに不便を感じる場所は自宅以外にも、職場や会合、レストランなど様々ですが、ご希望に合わせて調整することができます。
補聴器の選定・購入に至るには、段階的な微調整が必要となります。急に大きな音を聞いて頂くことになるので、まずは補聴器の音に順応して違和感を減らしていくことから始めます。補聴器に慣れてきたら、しっかりと音量が出せるようになるので効果を実感できるようになります。
当院の補聴器外来では、購入前にしっかりと効果を確かめてもらい、満足して使用していただくために補聴器レンタルを行っています。補聴器が初めてで不安という方や、既に補聴器をお持ちで効果に満足頂けていない方もお試しいただけます。
最新の補聴器は、雑音制御やハウリング(ピーピーする音漏れ)抑制といった従来の補聴器に備わっている機能はもちろん、防水性能やテレビとのワイヤレス通信、スマートホンとのBluetooth通信が可能な機械もラインナップされています。